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作家性とポピュリズム

前の記事でマイクラとその可能性について書いたんだけど、今度はその逆のお話。

マイクラ開発者のノッチは早くにα版としてリリースし、ユーザーにプレイしてもらう事で意見を取り入れ、アップデートを繰り返しどんどん成長していきました。

それはマイクロソフトになった今でもバージョンアップ自体は続いていますし、程度は違えどその他の多くの人気ゲーム等も同じみたい。

 

その他の業界も似たような状況が見られ、スマホ、SNS等が普及した現在は

アマゾン、ツイッター、その他サイトの口コミ等がユーザーの一つの大きな判断基準になっていますね。

以前に比べ、ユーザーの意見や評価が可視化されることで、その他の消費者へ恩恵があるのは確か。

でも、より作家性が問われるもの、例えば音楽、小説、アニメ、漫画等々についてはどうなのだろう?と考えた場合

この様なポピュリズム的な判断基準は逆効果になる可能性がありますね。

 

簡単にいえば皆同じような物だらけになっちゃうとこ。

同じようなキャスティング、お決まりなストーリー、同じ顔のアイドル、流行のビジネス等々

これはこれで質の高いものもあれば、お約束として見たり、参考にしたり、結局見極められる目があればいいんだろうけど

こういった現象はポピュリズムと商売が合わさった時に実に多く起こるように思います。

定型化され、シンプルで単純なモデルができ、皆それに合わせて行ってしまう。

 

多くの意見を出来るだけ取り込むという事は、極端に言えば多くを売ろう、という薄利多売モデルを想定しており、異常に安くし多売するデフレモデル

もっと言えば生産コストや労働単価が安いことが売りの発展途上国モデル。

これはより多くのアクセスを拡大、維持しないと成り立たないユーチューバーや、よく見かけるまとめサイト等も同じですね。

 

そうした拡大すること自体が目的化されやすい構造で競争が行き過ぎた場合、テレビだと過剰な演出、ネットだとまとめサイト等に見られる悪質なステマに行き着くわけですね。

特に需要減少で少ないパイの奪い合いになってしまうデフレ経済ならなおのこと、わずか1パーセントの勝者を目指すものの

実態は半数以上の敗者を生み出すシステムですから、場合によっては騙し騙され、結果として報われない人々を量産してしまう事になります。

もっとメタな視点で考えると、そもそも敗者ですらなく、ただの客だったのかもしれません。

 

おそらくクリエーターのノッチはこうしたマスマーケティング化していく事で何かを見失い

俺はゲームが作りたいだけでビジネスが目的じゃなかったんですけど・・と、

何かしら自身の作家性を見い出す事でその虚しさや、ニヒリズムから逃れたかったのかもしれません。

そうはいっても彼はマスビジネスとしても大成功しているのですが。  

 

 

独自性、作家性がなければ価値は生み出せない?

そもそも原理原則として、皆が等しく楽しめる物なんて存在しませんよね。

皆それぞれに好みがあり、経験が違う中で、それぞれが俺はこっち、私はこっち、という風に選ぶ。

それが多様な社会であり、選択肢が多い事そのこと自体が、文化的に豊かであると思います。

そう考えると、常に拡大圧力がかかるマスモデルは自ずと限界は見えちゃう。

しかも内需的には既に少子化も始まっています。 その為、いかに希少性を見いだし、単価を上げきれるかという逆方向のベクトルがカギになるかもしれません。

 

最近の例だと、ファンビジネスやサロン、クラウドファンディング、ふるさと納税等もそうなのかな?

ここ最近のトレンドなのか、これらに共通しているのは、必ずしも商品に対してユーザーが対価を支払うのではなく、その地域なり、クリエーターなりを支援する支援型システムということなのかな。

最近炎上で話題のVALUなんかもそうなのかな?・・・いや、知らんけども。

youtubeチャットやその他動画配信サイトの投げ銭なんかはそうかもしれません。

マイクラで言うならば、ノッチの作ったマイクラというソフト自体に対価を払うわけじゃなく

彼の活動そのものに対して月額でも支援という形でお布施を払い、ソフトなり創作物なり、その活動で作ったものを支援者へ還元するというシステム。

サロンやファンクラブの様なものなら月額で使い放題、見放題+αなんてところですかね。

もちろん月額ですから単価は一商品を売るよりも安くなるかもしれませんし、完全な言い値で投げ銭的なものもあるので

量は少なくなるかもしれません。

 

まとめ

どんどんと広がる全体主義的なポピュラリティのマスと、ひたすらマニアック化し、スーパーローカル的で作家主義的なニッチ

なにかどちらも一長一短で極端になっている気もするけど、いや、その両方うまくやれないもんかね、というお話でした。

 

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