一時期の過熱ぶりからは大分落ち着いてきたサンドボックスゲームのMinecraft。
上の画像は私の全然進んでいない世界でございます。
Minecraft、略してマイクラの開発者はスウェーデンのNotchことマルクス・ベルソン氏。
彼はいわゆる同人のゲーム作家で2009年に自分の自由時間を利用してMinecraftを開発してたみたいですね。
早くからα版をリリースし、ちまちまアップデートを繰り返し続けた結果、世界中で人気が出始め、Mojang社(モヤン社)を設立。
そして2011年度末には社会現象を起こす作品にまでに急成長したという、映画になりそうなワンダーな話。
販売数はインディーながら全世界でなんと3000万本。
2014年9月には、ビルゲイツよろしくのMicrosoftがMojang社を約2680億円という金額で買収し、開発者の彼はMojang社を退社。現在は完全に手を引いているようです。
※ここらへんの悲しみの顛末はググれば色々出てきます。
日本でもHIKAKINをはじめ現在に至るまで多くの動画投稿者にプレイされており、キッズから大人まで年齢関係なく普通にプレイされています。
しかし、なぜこれほどまでに世界中でプレイされているんだろう?と考えると
やはり教育に導入されるほどのゲーム性の幅広さ、バランス、それと未だに定期的にアップデートされる仕様だからじゃないかと思います。
勿論、タイミングや運みないな不可抗力的な要素もあるけど、そこを脇においておいても、値段も大体3000円くらいでそこまで高くない。それでこんなに長く遊べるって、なかなかないですね。
現在は動画投稿も大分落ち着いている印象で、下火といえば下火なのかもしれませんが、この先もまだまだプレイされるだろうなぁという印象です。
で、個人的に興味深かったのはそれが大手ではなく、インディーであったことです。 しかもゲームプログラマーかつ同人作家であるオタクのノッチ。
彼がつくったマイクラの世界は、今様のリアルグラフィックバリバリの世界ではなく、むしろ対極。
全てが四角いブロックで作られた世界。 いってみれば何世代前のファミコンに通じるようなドットな見た目。
一見すると、なんで人気なの?ダサくね?と思ってしまう可能性もありますが
それなのに人気って事はやはり、見た目でごまかさなかった、って事なんじゃないのかなぁと思います。
逆にそれしかなかったのかもしれません。
また意図的に未完成な状態でα版としてリリースし、開発当初からユーザーの要望や意見を取り入れアップデートを重ねていったところも、広まった要因でしょうね。
PC版限定ではありますが、多くのマイクラを愛するプログラマーが
マイクラ用の拡張要素として無償でMODを作成し、一般ユーザーへ公開しているのも、さらにマイクラをより楽しませる事になっています。
オープンソースな姿勢でより集合知に近く、それに感化されたプログラマーがまた遊べる世界を追加していく。
これはマイクラ以外のPCゲーもそうですが、非常にインディ的で、同人的で、凄く現代的。
これは現在のあらゆる業界で起きていることでもありますが
そもそもそれが自然な流れだったのでしょうね。
昨今はなにかとゲーム実況者が注目されがちですが、それは結果であり、表層みたいなもので
(もちろん投稿者それぞれの楽しみ方や面白さもあっての拡散力ですが)
その基盤にはこうした優れたクリエーター達やそれを望んでいる多くのファンがいるからこそ。
なので一連のゲーム実況動画はそのゲームを面白おかしくプレイするファンビデオのプラスアルファであり
その根本的な環境を作っているのはクリエーター達なのだ。
多極化から見える可能性
この先、大企業などのいわゆるメインプレイヤーが、その組織や経済的リスクに縛られ
過去に当たったビッグタイトルのみに依存したり
本来の目的である面白いゲームを作る事をおざなりにしていくのであれば
それはしょうがないのかもしれません。
なぜなら、経済的な理由であれなんであれ、彼ら自身に選択肢がないのなら
これはもう宿命みたいなもので、何かしらの内的、外的な構造的要因があるのか
その国の経済状況が大きな足枷になっているだけかもしれないからです。
単純に大手は販売数も多いが、基本的に投資額も大きいと思うのでそれは相対的でリスクも大きいので簡単には動けない。
であればこの先、経済状況が変わらなければ、よりそこに属していない非属の個人作家達が
オタクな専門知識と技術、そこから生まれる非常識な発想力と、それを許容できる最小リスク(ここ重要)でどんどん活躍していく社会になるかもしれない、という期待も見てえてくるのかな?
一つ一つはミニマルかもしれませんが、間違いなくあらゆる業界の多極化は進んでいますからね。
・・まあ、そうは言っても誰も未来は読めませんね。
とどのつまり、後悔なくやりたいように好きなことを突き詰めるしかない?と思う今日この頃でした。
様々なものがデジタル処理され、ダウンロードボタン1つ押せば結果(craft)が手に入るようになりました。そこにかつての過程(mining)はありません。質量のない結果(craft)があるだけです。今こそ過程(mining)するときだと思いました。このゲームはなにかを得たり作ったり(craft)するための過程(mining)の大切さ、というのに気がつかせてくれます。